2005年02月22日

ZINGARO(ジンガロ) 〜Eclips〜 By IKUO三橋

寒い冬の夜、オーベルビリエのZINGAROの入口で、余った入場券を売ってくれる人を探した。運のよい事にフィリップと私の二枚分が手に入った。

左右下に数十頭の馬をつないだ廊下を通ってポッカリと
円型の空間に行き着く、25メートルの砂場のピスト(ステージ)
を中心にグルリと三方に客席があり、どうやら十文字になっている。
ガチョウが十数羽、団体行動でガァガァ鳴きながら移動している。
雰囲気はもうこれだけで充分だ。

馬車がローソクの火に灯されて血のように美しく染まった赤ワインを
積んで、ピストを疾走する。
そして客席にVIN CHAUD(ホットワイン)のキャラフ(デカンタ)を
投げるように渡す。もう観客は大喜びだ。

さて、これ以上中味を書いたら切りが無い。
私が最も伝えたい、
ZINGAROとバルタバスの偉大だと思った事を書こう。

それは最後の演目となった時ピストには人はいない。
白い馬と黒い馬が左右から登場する・・
しばらくは何事も起こらない、
が、この二頭はお互いの様子を見ているうちに、徐々に親しくなって、
イヒヒヒヒと鳴いて鼻をこすり合わせる。
そして、白い牝馬の背後から黒い牡馬がまさに馬乗りになり、
SEXをはじめる・・。
客席は唖然として息を呑み静まり返る。
客席には子供もいる。馬のSEXは勿論、大きなペニスもはじめてみた
私は、淫靡な発想が頭をよぎり、地面に流れ出る精液が拍車をかける。

そして事は終わった。
その時天井に吊された大きな教会の鐘がガラーンガラーンと鳴り響く。
私は何て卑猥な心を持った卑しい人間なんだろう。
鐘の音で心が洗われて、我に返ると、
これは単なるスペクタクルやサーカスや演劇といったものを通り
越して、神へ近づく神聖な儀式に我々は立ち会っていたのだと、
気づかされる。

あのZINGAROをここまで育て上げられたのか。
バルタバスの非凡な才能を思い知らされた。

そして再び我々が帰る渡廊下は十字架だったのだ。


Posted by ikuo_mitsuhashi at 18:53│Comments(0)TrackBack(0)

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